エッセイ

大山流域を身体化するプログラム

2026/9/25

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「大山流域を身体化するプログラム」とは、鳥取県・大山(だいせん)を舞台に、山から里、海へと続く流域の動きを身体で感じ取り、自分と世界とのつながりを捉え直す2泊3日のプログラムです。

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私たちは、「流域」という単位で世界を捉え直し、その動きを身体を通して感じ取る力を「流域動態感受性」と呼んでいます。本プログラムでは、大山流域の自然と、そこに積層する歴史、信仰、文化、人々の営みに触れながら、この感受性を獲得することを目指します。

目次

  1. なぜ、流域を身体化するのか

  2. 参加者の内側と関係性に起きていること

  3. 「大山流域を身体化するプログラム」から大山流域研究所へ

なぜ、流域を身体化するのか

いま、世界の多くの人は、無数の「正解」に囲まれています。AI技術が進化し、情報や分析技術が発達し、瞬時に“正論”が提示される時代になった一方で本当に進みたい方向がわからない、意思決定に実感が伴わない、自分の仕事が何につながっているのか見えないといった、言葉にしづらい不安を抱える人も増えています。

私たちは、その背景に「身体性の喪失」があると考えています。

自然と自分との結びつきが希薄になり、食べること、歩くこと、感じることを通して世界を捉える機会が減った結果、自ら問いを立て、実感を伴って選択する力を、知らず知らずのうちに他者へ委ねてしまう。

だからこそ、身体性を回復し、問いを立てる力を取り戻すとともに、自分があらゆる事象との関係性のなかで生かされていることを実感する体験が必要である。そう考え、私たちは2023年から「大山流域を身体化するプログラム」を展開しています。

大山に降り注ぐ雪や雨は、大地に染み込み、湧水となって里を潤し、地下の水脈を通って約30年かけて海底から湧き出します。その流れには、生きもの、人々の暮らし、信仰、文化、産業の歴史が折り重なっています。

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「流域」とは、山から海までの地理的な範囲を示すだけではありません。自然と人間、過去と現在、自分と他者が、切り離せない関係性のなかにあることを捉える視座です。

プログラムでは、日本の修験者が「お山」と「里(都市)」を行き来する「行」の構造をひとつの鏡としています。参加者は日常の役割や肩書きから一度離れ、大山の流域に身を委ねます。そして、身体で受け取った感覚や、そこから生まれた問いを、それぞれの暮らし、地域、事業、組織へと持ち帰ります。

参加者の内側と関係性に起きていること

そこで起きているのは、知識の獲得だけではありません。

自分と自然を分けて捉えていた人が、自らの身体も山や海と一体であることを実感し

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「どこからどこまでを流域と呼ぶのか?」

「私たちは何者なのか?」

「私たちは何によって生かされているのか?」

といった根源的な問いに向き合います。


その経験は、個々の内面の変化にとどまりません。同じ時間を過ごしたチーム、ビジネスパートナー、夫婦や仲間が、それまで言葉にできなかった感覚を共有することで、関係性が結び直され、新しい事業や協働が立ち上がることもあります。

これまでに、国内外の経営者、ビジネスパーソン、行政関係者、研究者、学生、各地域の実践者など、約350名が参加しました。仲間を連れて再訪する人や、自らの地域や組織へこの事業を持ち帰るために、継続して通うチームも増えています。

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参加者からは、

「生きることの意味を考えさせられた」

「課題解決ではなく、すべての事象に神聖性を見いだし、問いを立てることの大切さに気づいた」

「自分の地域の見え方が変わった」

といった声が寄せられています。

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一人の身体に生まれた実感と問いが、人と人との関係を変え、新しい営みへとつながっていく。私たちがつくっているのは、一度きりの体験ではなく、それぞれの場所で次の実践が立ち上がっていく、その始まりの場です。

「大山流域を身体化するプログラム」から大山流域研究所へ

本プログラムが生まれるきっかけとなったのは、人の健康を含めた地球全体の健康「プラネタリーヘルス」を提唱する、天籟株式会社の医師・桐村里紗氏と大山流域の自然に身を委ね、山と海を行き来してきた一般社団法人Bisui Daisenの大原徹氏との出会いでした。

この二人の出会いを起点として、プログラムのプロデューサー 秋元大(大山流域研究所 代表取締役)が、「身体性」と「哲学的な問い」を軸とする「大山流域を身体化するプログラム」を着想し立ち上げました。

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秋元は、大山流域でフィールドワークを重ねながら、この土地に根づく自然、信仰、歴史、文化、人々の知恵や営みを読み解き、それらを参加者の身体感覚と根源的な問いにつなぐプログラムとして設計し、2023年から国内外の多様な人々を大山へ迎え、実践と検証を重ねながらプログラムを育て、社会へと開いてきました。

そして2026年4月、この営みを持続可能な事業として、さらに広く展開するために、秋元を代表として株式会社大山流域研究所を設立しました。


現在では、参加する人、再訪する人、自らの土地へ実践を持ち帰る人、事業をともにつくる人など、多くの仲間によって、このプログラムが育てられています。

当研究所は、このプログラムを通して、流域という単位から世界を捉え直し、身体性と問いを立てる力を取り戻した人々が、それぞれの土地で新たな学び、仕事、営みを生み出していくことを目指しています。

大山で生まれた実感と問いが、それぞれの流域へ持ち帰られ、人と人、地域と地域を結び、新たな実践へと変わっていく。

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この営みに参加し、ともに育ててくださる方をお待ちしています。

大山流域を身体化するプログラムに参加する。